数多くある山口県の温泉の中でも、長門湯本温泉は山口県で最も古い温泉として、長い間地元の人たちに親しまれてきました。

CNNの“日本の最も美しい場所31選” に選ばれた元乃隅神社や、童謡詩人・金子みすゞの出身地・仙崎など人気の観光スポットがほど近い長門湯本温泉。観光がてら、ちょっと温泉で一休憩・・・という方も多いのではないでしょうか?

今回は、観光地にもアクセスのよい名湯・長門湯本温泉の由緒、泉質、そしておすすめ日帰り温泉と周辺散策スポット、これからの温泉街についてをご紹介します。

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山口県最古の温泉・長門湯本温泉

山口県の温泉の中でも「防長四湯」(湯田温泉、湯本温泉、川棚温泉、俵山温泉)のひとつである湯本温泉。
山あいの温泉街の真ん中を清流・音信川(おとづれがわ)が流れ、初夏にはホタルが舞い、水の音や緑の木々の葉ずれの音に癒される・・・心安らぐ昔ながらの温泉地です。

長門湯本温泉の歴史は古く、およそ600年前、室町時代にさかのぼります。1427年、湯本温泉にある大寧寺の住職が、下関一ノ宮の住吉大明神からお告げを受けて発見したと言われています。

そのため、今でも湯本温泉中心部の温泉源は大寧寺の所有なんだとか。大寧寺は湯本温泉を見守るようにして、600年間歴史と共に歩んできたのですね。

江戸時代には藩主である毛利氏もたびたび湯治に訪れていたそうで、その後も多くの観光客が全国各地から訪れてきました。泉質はアルカリ性単純温泉で無職透明な湯。神経痛、皮膚病、胃腸病、リウマチなどに効能があるとされています。

おすすめの日帰り温泉はここ

長門湯本温泉の元湯・恩湯

長門湯本温泉街の中心にある公衆浴場「恩湯」。
施設の老朽化に伴い2017年に営業が終了しましたが、2020年3月にリニューアルオープン。木造平屋建てのシンプルな建物に生まれ変わりました。

恩湯はちょうど泉源の真上に建てられているため、岩盤から湧き出る温泉を見ることができる珍しい温泉。
浴槽は深さ1メートルと、一般の浴槽よりも深く作られています。全身があたたまり血行が良くなるそうですよ。

入浴料は、大人平日700円・土日祝日800円・特定日900円、子ども400円(4~12歳)。営業時間は10時~22時です。

恩湯
長門市深川湯本2265番地  TEL: 0837-25-4100
恩湯URL:https://onto.jp/

昔ながらの温泉街の風情を楽しめる老舗旅館・六角堂

明治半ば、親鸞聖人の修行の場・京都の六角堂をヒントに、三階部分を六角造りにしたことから六角堂と名付けられた老舗温泉旅館です。現在、建物は変わりましたが旅館の名前はそのままで営業しています。

6階には展望風呂があり、長門湯本温泉街を一望しながら温泉の湯を楽しめますよ。

こちらの六角堂、以前妹と一度訪れました。豪華さはないのですが、落ち着いた雰囲気がとても心地よくて、建物上部にある温泉(内風呂)から見下ろす音信川に心和み、「もう一度来たいねー」と話していた旅館。おすすめです。

日帰り入浴のみ500円です(15:00~21:00、ボディシャンプー、シャンプー、ドライヤー無料)。詳細は六角堂HPをご覧ください。

旅館 六角堂
長門市湯本温泉  TEL:0837-25-3821 
六角堂URL:http://www.rokukaku.jp/

プーチン大統領も宿泊!格式ある大谷山荘

2016年にプーチン大統領が安倍首相と日露首脳会談を行った、大谷山荘。
他の旅館街から少し離れたところにあり、なだらかで美しい音信川の渓流が目の前に流れる、最高の景観を誇っています。

ながと観光ナビ ななびより引用しました)

1階と2階に趣のある大浴場が11通りも。大浴場、檜と岩の露天風呂、寝湯、ジャグジー、サウナが利用できます。
温泉の様子は公式穂HPからご覧ください。
ゆったりと優雅に癒されてはいかがでしょうか。

日帰り入浴
利用時間:11:30〜21:30(平日)、11:30〜15:00、18:00〜21:30(土日祝、正月、GW、盆)
利用料金:大人2,000円(税込)、小学校1,000円(税込)

大谷山荘
長門市深川湯本2208  TEL:0837-25-3300
大谷山荘URL:https://otanisanso.co.jp/

楊貴妃伝説の宿・玉仙閣

湯本温泉から車で30~40分の場所にある向津具(むかつく)半島。今では元乃隅神社や千畳敷が有名になり、観光客が多く訪れる半島ですが、じつはこの半島には、あの世界三大美女である楊貴妃が流れ着いてこの地で亡くなったという伝説が残っているのです!

向津具半島には「楊貴妃の里」というスポットがあり、お墓も残されているんですよ(正史では中国で亡くなったとされています)。

玉仙閣HPより引用しました)

その楊貴妃伝説にあやかって、長門湯本の地に作られたのがこの玉仙閣です。
湯本温泉街の中心から少し離れ、大寧川のほとりにある玉仙閣は、楊貴妃が入っていたと言われるお風呂を再現した貴妃湯や華清湯があり、高貴な気分で源泉100%のお湯を楽しめます^^

外来入浴は大人1000円、小人(3~12歳)500円(11:00~14:00 / 18:00~21:00、バスタオル有料)。

楊貴妃浪漫の宿 玉仙閣
長門市深川湯本1234 TEL:0837-25-3731
玉仙閣URL:https://www.gyokusenkaku.com/

日帰り入浴後は「オソト天国」を満喫

源泉かけ流し100%の湯を楽しんだ後は、音信川畔をゆったりと散策するのがおススメです。
長門湯本温泉は、温泉街のそぞろ歩きが楽しめる「オソト天国」としてリニューアル。
音信川沿いにはグルメスポットや足湯、川床テラスなどが点在し、のんびりと温泉街の散策を楽しめます。

たくさんの立ち寄りスポットがありますが、ここでは「あけぼのカフェ」「川床テラス」「おとずれ堂」をご紹介します。

テイクアウト専門カフェ「あけぼのカフェ」

「星野リゾート界 長門」に併設されている「あけぼのカフェ」。
そこで提供されているどらやきは、休日には朝から行列ができるほどの人気です。

星野リゾートが、温泉街の「そぞろ歩きのコンテンツに」と考えたどら焼き。
小豆、長門ゆずきち、夏みかんの3種類から選べて、しかもとっても上品なお味です。

川床テラスでのんびりと

川沿いには、川の上に作られた「川床テラス」が所どころに設置されています。
川のせせらぎを聞きながら、のんびりと過ごすひとときはいかがでしょう。

※川床テラスは近隣のホテルの所有ですが、宿泊者が利用していない時間帯は誰でも自由に使えます。

お土産は「おとずれ堂」で

竹林の階段の脇にひっそり佇む「おとずれ堂」。
古民家をリノベーションした趣のある建物の中には、長門湯本温泉街でしか手にできないお土産品や、長門ならではの品物が並んでいます。
店内左奥には萩焼のミニギャラリーも。

アクセス、駐車場

駐車場
 国道316号線沿いに駐車場あり(95台駐車可)。
 平日:最初の1時間100円、以降1時間ごとに100円、最大料金1,000円
 土日:最初の1時間200円、以降30分ごとに100円、最大料金1,000円
 ※店舗の利用による駐車サービスはありません(2021年8月現在)。

車の場合 
 中国自動車道美祢IC下車、国道316号線を約30分
 (元乃隅神社から車でおよそ40分、長門市仙崎から車でおよそ15分)

JRの場合
 厚狭駅からJR美祢線(およそ30分)、長門湯本駅下車、徒歩10分

長門湯本温泉旅館協同組合の公式HPはこちらです。
>>長門湯本温泉

まとめ

由緒ある伝統を持った長門湯本温泉。
昔ながらの雰囲気と情緒ある街並みに、とても癒されます(*^^*) わたしにとってはちょっと立ち寄りたくなる、オアシスみたいな温泉街です。

長門湯本温泉はもっとたくさんの方々に温泉を楽しんでもらいたい、その思いとともにまた新しい歴史を刻もうと、どんどん変化しています。ぜひ入浴に散策に、また観光の拠点として、訪れてみてくださいね^^